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本日夜は、日本レコード大賞です。
毎年12月は、多種の音楽の祭典がTVで放送されますが、
NHK紅白歌合戦、TBS「日本有線音楽大賞」に次ぐ、音楽の大賞です。
AKB48は本年ははレコ大を獲得するのでしょうか?????
筆者は音楽やそのヒットチャートに目が無いため、
こういう番組はワクワクして仕方ありません。
その「日本レコード大賞」、
昨年は、
一番栄誉ある大賞の発表の直前、制定委員長から“波紋”よぶ発言がありました。
1年前にインターネットや音楽評論の雑誌において大きく取り沙汰されたため、
記憶にある方も多いでしょう。
先ず、振り返ってみるとこんな発言…
「歌謡曲からヒップホップまで、本当に幅広い音楽を聞いていただいたと思います。
これが今の日本の歌謡界の現状で、今日3時間聞いていただいてすっかりその現状が把握できたと思います。
お楽しみいただけましたでしょうか?」
客席からは割れるような拍手が起こり、
その後に「AKB48」の名前が発表。
この発言について会場では特に問題視されていなかったようだが、以下のような声がweb媒体で見られました。
- 『歌謡界の現状』=意味深
- 『今日3時間聞いていただいてすっかりその現状が把握できたと思います』=皮肉
要約すれば、
「AKB48」レコ大受賞への皮肉や嫌味たっぷりと受け取れたと!!!!!
さらに、この発言への意見は賛否両論に分かれます。
- 「要するに今年の受賞者は、音楽として認められない。今回の決定は服部氏は納得していないということですな。服部さん、よく言った!!」
- 「AKBだけを責めるのはどうなんかね?」
- 「AKBを抜いたとしてもレコ大にふさわしい曲なんぞなかった気が…この中だったらAKBがとってしまうという現実が今の日本の音楽業界です。と言いたかったととる」
- 「勘繰り過ぎで、『現状』にそう深い意味はないのでは?」
一方で発言者を擁護する者もいれば、もう一方ではAKB48を擁護する者。
日本の音楽業界を憂う考えを表す者がいる一方で、発言自体をそんなに重要視しない者もいる。
まぁ、様々ですね。
簡単におさらいしますと…
レコ大受賞のAKB48のシングル「真夏のSounds good !」は、
累計売上枚数182万枚を数える大ヒットで2012年オリコン年間シングルランキングで堂々の1位を飾りました。
しかし、
AKB48がリリースするシングル楽曲のなかには、
握手会イベントの参加券やら選抜総選挙の投票権やら封入があり、1人で複数枚数の購入がうながされる仕組み。
巷では「AKB商法」などと呼ばれます!!!!!
そのためか、
AKB48の売上枚数に違和感や疑念を持つひとは多く、
音楽性に対する評価やリスペクトではないとされたりもします。
この発言をしたのは、
作曲家・編曲家であり日本レコード大賞の制定委員長を務める服部克久氏です。
上に挙げたように、AKB48への嫌味、日本の音楽業界への憂いを表現していました。
もっと言うならば、
「AKB48というアイドル、音楽ビジネスの企画もののようなグル―プに賞を与える現状」
との揶揄でしょうか!?
作曲家・編曲家の立場からそう見えてのかもしれません。
下には少し筆者の意見を述べようかと思います!!!
例の発言の正否、それに対しみなさんがどんな思いを抱いたかそれらは一旦別として…
確かに、
AKB48というアイドルグループは、
AKB48総合プロデューサーである秋元康氏が創始したものですし、
AKB商法なる販売方法は秋元康氏とレコード会社が仕掛けたものに他なりません。
楽曲に関しても、
一流アーティストが心血そそいで数か月、長くて年単位をかけ製作するものには勝らないでしょう!!!
とはいえ、
AKB48が現代日本音楽シーンの課題、その罪業を背負うのか?????
考えてみましょう!!!
筆者がここで述べたいのたった一つだけ!!!!!
例の発言をした服部氏はもとより、
同じ意見を腹に持つ他音楽家やその評論を生業とする者は、
本当にAKB48(地方グループ含む)を揶揄する資格があるのでしょうか?????
秋元康氏は、AKB48および48グループの総合プロデューサーです。
秋元氏はその“プロデューサー”なる職業について、著書「企画脳」(PHP文庫)のなかでこんなふうに語っています。
例えば、レストランがあったとする。
そこのメニューを作成するときに、職人・アーティストと言われる人たちは、自分がつくりたい料理を並べる。
「この料理が受けようが受けまいがかまわない。オレはこれがつくりたいんだ。食べたいという人が食べればいい」
そう思っているのがアーティストなのである。
プロデューサーの立場は、違う。
「ここにはどういう人が食べにくるんだろう」とまず考える。
つまり、
誰がどんなものを食べたがっているかということを、つねに考えながらメニューをつくったり、
料理人に指示を与えたりするのが、プロデューサーなのである。
ここに服部氏の考えの落とし穴が!!!
AKB48をはじめとした48グループはアーティストでしょう!!!
(アイドルをアーティストと称するかの議論は別として)
だから、
自分が追い求める、もしくは世の中が要求する最高のパフォーマンスをするのが仕事。
ですから、
AKB48のパフォーマンスに文句あれば、例の発言は間違ってないでしょう。
しかしながら、
秋元康氏はAKB48の総合プロデューサーなので、
ファンや世の中が何を欲しているのかを見極め楽曲制作するのが重要であり、
服部氏の発言が秋元氏を皮肉るものであれば如何なものかとと思います。
秋元氏(とレコード会社)は売上げをのばす販売方法を確立し、プロデューサーの仕事とその努めをやってのけています。
むしろ…
服部氏や他の音楽家、音楽評論家はその職業的な仕事はどうでしょうか??
AKB48をはじめとした48グループを打倒せしむアーティストの育成・推奨、
そんな活動や努力は残念ながら微塵も見られません!!!
そういう意味で、
筆者は彼らはAKB48(姉妹グループ含めて)を揶揄する資格が無いのでは、と考えています。
論を俟たずに、
音楽家(=アーティスト)と音楽のビジネス家(=プロデューサー)をごっちゃにしていること自体が、お門違いに感じられてなりません。
今年の日本レコード大賞は、
AKB48が3冠を達成するのでしょうか???
それとも、たのアーティストが受賞するのでしょうか???
昨年のレコ大であの発言で物議を醸した服部克之氏は登壇するのでしょうか???
登壇したならばそこでは何を語るのでありましょうか???
本日夜にある今年のレコード大賞も見物です。